足浴の効能
足浴は看護の一部として広く行われており、フットケアクリニックで治療の一部として取り入れているところも多いですが、すべての人に適用というわけではありません。足浴の効能、適用に関して、少し詳しく見てみたいと思います。
足浴の効能
足浴は看護の一部として広く行われており、フットケアクリニックで治療の一部として取り入れているところも多い。足浴の効能としては、末端の微小血管拡張がまず上げられる。“健常男性への炭酸温水足浴による循環系と自律神経の急性変化”によると炭酸温水足浴開始10分後に足部の皮膚血管拡張がレーザードップラーによって確認され、拡張が30分持続したと報告されている。“人工炭酸泉浴(バブ浴)を用いた足浴の下肢末梢循環に及ぼす影響について(その2) ”によるとバブ浴により、末梢皮膚血流が2.6倍に増加するとレーザードップラーにより確認されている。
しかし、足浴はフットケアクリニックにくる患者さんすべてに適用とはいえない。足浴をしてはいけない患者さんは、下肢に創傷のある患者さんである。皮膚の創傷部が元々創傷部分についていた菌の進入口となり、足の腱を伝って、又は軟部組織を通し、近位に感染が広がる可能性がある。下肢に創傷がある患者さんは、傷口を軽く生理食塩水で洗い、必要に応じ、ドレッシングを使用することが大事である。もちろんお風呂で下肢をお湯につけることも避けなければならない。
単純なことではあるが、万人に足浴が有効であるとはいえないことを覚えておく必要がある。
参照:
健常男性への炭酸温水足浴による循環系と自律神経の急性変化 許 鳳浩1’2)、小川弘子1’2)、上馬場和夫1’2)、王 紅兵3)、関根道和4)、鏡森定信4)
人工炭酸泉浴(バブ浴)を用いた足浴の下肢末梢循環に及ぼす影響について(その2) 保崎泰弘1), 芦田耕三1), 濱田全紀1), 岩垣尚史1), 高田真吾1), 菊地宏1), 光延文裕1), 田吹梢2)