湿潤(しつじゅん)治療とは?
子供の頃すり傷ができると「乾燥させたほうがいい」と言われた経験はありせんか?
傷の治療の考え方は今と昔では全く変わりました。傷は湿潤環境の方が早く治るという研究結果が出ており、乾燥させてしまうとかえって治りにくいというのが、現在の傷に対する考え方です。
少し湿り気のある傷の環境(=湿潤環境)では酵素、増殖因子などが早く成長します。また傷から自然に出ている液には外からのバクテリアを殺す機能のある細胞も含まれています。
これらの細胞に湿潤環境で最大限働いてもらおう、と言う考え方です。
近年ではバンドエイドも湿潤環境を保つよう考えられた製品が出ています。
しかし、湿潤環境の加減というのは複雑な傷の場合、大変難しいということもわかっています。つまり湿りすぎず、乾燥しすぎずという微妙な加減のことです。
糖尿病による傷、血流が悪いのでできた傷、大変大きい傷などは創傷治療の専門医に傷の環境をきちんと調整してもらう必要があります。こういった場合は創傷ケアセンターに相談してみましょう。
参照:
http://int.elastoplast.net/med-info/wound-care-beautiful-healing/moist-wound-healing.html
http://www.jnj.co.jp/consumer/bandaid/products/medicaltools/
足背部の外傷性皮膚欠損に対して湿潤療法が奏功した2例:愛媛生協病院 森実和樹
新居浜協立病院 曽根康夫,植田大樹