圧迫とは
圧迫とは、むくみの改善のために行われる治療のひとつです。
足のむくみ(浮腫:ふしゅ)
静脈の病気のために足に潰瘍ができる方は、足のむくみに悩まされていることも多いと思います。
むくみは体の組織内に異常に水分が溜まることによって起こる症状で、水は引力により下のほうへ流れようとするため、下肢・足に起こることがとても多いです。
むくみが無くならないと傷も治りませんので、静脈性の創傷がある方にはむくみの改善が不可欠です。
むくみの治療には、
足の挙上(足を心臓より高く上げる)
水分や塩分の摂取制限
座りっぱなし、立ちっぱなしを避ける
などに加えて、圧迫という方法があります。
患者様の状態に応じて、弾性ストッキング(または医療用ストッキング)や弾性包帯などを使用した圧迫療法を決定します。
弾性ストッキング(または医療用ストッキング)
弾性ストッキングを履くと、足に圧迫がかかり、静脈内の血液を心臓の方向へ押し上げることにより、むくみを改善します。
このストッキングは強い伸縮性のある素材で作られていて、足の場所によって圧の力を変えてあります。一番血液が溜まっている足首部分の圧が一番強く、上に向かうにしたがって圧を弱くしてあります。弾性ストッキングによる治療を始めるにあたって大切なことは、医師の指示に従って履き続けることです。
圧の力で、きついために履くのが大変だったりすることもあると思いますが、一日も早く静脈性の創傷を治すために頑張りましょう。
下の写真のように弾性ストッキングを履きやすくする補助器具もあります。
弾性包帯
弾性包帯の用途も、弾性ストッキングと同じで、静脈内の血液を心臓の方向へ押し上げることによりむくみを改善するというものです。
弾性ストッキングとの違いは、圧の力です。
弾性ストッキングが足に与える圧は最大40mmHg程度で、弾性包帯は40mmHg以上です。
したがって、通常程度のむくみの予防や軽減のためには弾性ストッキングを使用し、より程度の重い方には静脈のポンプの役割がより大きい弾性包帯を使用します。
包帯をつけっぱなしにすることで不快感等があるかもしれませんが、少しの時間がまんして、早く状態を改善することがとても大事です。